城下町金沢
  • 城下町金沢の文化遺産群と文化的景観
  • 「城下町金沢」提案のコンセプト
  • 提案した資産の内容

城下町金沢の文化遺産群と文化的景観

 城下町金沢は、特別名勝・兼六園をはじめ、金沢城跡、辰巳用水、加賀藩主前田家墓所などの歴史資産と、金沢のまちに受け継がれる伝統文化・工芸技術が一体となり、世界的にも稀有な文化的景観を形成している。石川県と金沢市が世界遺産暫定一覧表(暫定リスト)への追加記載を目指して文化庁へ提案していた「城下町金沢の文化遺産群と文化的景観」は、文化審議会での審議の結果、2008(平成20)年9月、暫定リストへの記載は見送られたものの、「世界遺産暫定一覧表候補の文化資産」として、提案書に基づく一定の主題を基に、文化審議会の指摘する新たな課題に沿って引き続き研究と準備を進めるべきものと評価された。
 その一方、「石川県に世界遺産を」推進会議が提唱して啓発を進め、行政が呼応してきた城下町金沢の世界遺産登録運動によって、それまで未指定の状態にあった金沢城跡や加賀藩主前田家墓所の国史跡指定などが一気に進み、歴史まちづくり法に基づき、2009(平成21)年1月、金沢市が「歴史都市」第1号の認定を受ける成果を生んだ。
 また、文科相は2010(平成22)年2月、文化審議会の答申通り、「金沢の文化的景観 城下町の伝統と文化」を重要文化的景観に選定した。金沢城跡や惣構跡、用水網など城下町の都市構造が現在も残り、藩政期からの伝統工芸や生活様式が受け継がれており、新たな文化創造の拠点である金沢21世紀美術館も含めて貴重な文化的景観を形成していると評価された。対象は金沢城跡周辺(内惣構の内側)、卯辰山公園、市中心部の犀川、浅野川、大野庄、鞍月、辰巳の各用水、惣構跡など。都市部としては「宇治の文化的景観」(京都府宇治市)に次いで2例目となった。
 このほか、2009(平成21)年6月、ユネスコ(国連教育科学文化機関)は金沢市をクラフト分野で世界初の創造都市ネットワークに登録した。藩政期以来、培われた分厚い工芸の土壌が評価された。

辰巳用水
辰巳用水
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