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尾山神社神門

 尾山神社は1873(明治6)年、前田利家を祀る神社として旧金谷御殿跡に創建された。神門はその正門として1875(明治8)年に建築されたもので、高さ25メートルの3層建て。和漢洋3様式の折衷様式とも見え、1階の石積みには戸室石が使われている。国指定重要文化財。指定面積96.5平方メートル。
 全体は木造の架構で支持されており、1層目は戸室石積みの三つのアーチを架けている。また、南面・北面の石積みの内側には煉瓦がフランス積みで積まれている。これは地元で焼かれた煉瓦と推定され、石川県で最も早い煉瓦の使用例と考えられている。同時期の煉瓦積みを本殿周囲の玉垣にも見ることができる。
 神門の2層目と3層目は白漆喰壁(しろしっくいかべ)で、柱型などは銅板で覆われており、周囲に高欄を廻している。また、3層目の大きな窓には色ガラスが入り、宝形屋根(ほうぎょうやね)の頂部には避雷針があり、外観の特徴の一つとなっている。
 独特の外観を見せる尾山神社神門は、近代金沢を代表する最古の建造物である。

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