堂形(どうがた)のシイノキ
旧石川県庁正面玄関の左右にある一対のスダジイ。推定樹齢400年ともいわれ、木は最大で根元周約12メートル、高さ約13メートルある。国指定天然記念物。主幹の周囲を何本もの支幹とひこばえが取り巻いており、それぞれが一本の大木のように見える。「堂形」とは江戸時代における旧県庁周辺の地名です。初代利家が1595(文禄4)年に的場(弓の練習場)を造らせたといい、その建物が京都の三十三間堂を模していたことから「堂形の的場」と称されたのがその始まりで、以来この地は堂形と呼ばれるようになった。その後ここには米蔵や馬場、火事の類焼を防ぐ広場(火除地)などが設けられたが、堂形という地名はそのまま残り、現在もシイノキの名称として受け継がれている。
1924(大正13)年には堂形の地に石川県庁が建設されたが、この一対のシイノキは長く県民に親しまれることとなり、県庁舎が移転した現在でも変わらず金沢のまちなみの移り変わりを見守っている。