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志摩(しま)

 1820(文政3)年に設けられた茶屋町創立期の様子を残す数少ない建物。国指定重要文化財。面積は建築129.65、敷地148.43平方メートル。
 志摩は東山ひがし重要伝統的建造物群保存地区内にある典型的な茶屋建築である。建築年代は、茶屋街が成立した当初のものと推定され、屋号は創立当初は「越中屋」だったが、その後変遷し、終戦後に「志摩」となった。
 表構えは、紅殻塗(べんがらぬり)の出格子(でごうし)が付き、2階の背が高く、その表に座敷と縁が設けられており開放的になっている。
 当初は2階建てであったと推定されるが、明治期に現在の3階建てになったと伝えられている。屋根は切妻の平入り。当初は石置きの板葺き屋根で、明治期に瓦葺きにされたものと推定される。1階の格子は竪格子で1間に38本が割付けられている。
 入口には大戸と呼ばれる潜り戸を備えた内開きの1枚扉が設けられている。
 志摩は近世茶屋建築様式を伝える代表的な建築として価値が高い。

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