西田家庭園=玉泉園、灑雪亭(さいせつてい)露地ならびに庭園
金沢町奉行などを歴任した脇田氏が4代かけて造園した武家庭園。県指定名勝。指定面積約875平方メートル。西田家庭園は、山畔崖地を利用した上下2段式の池泉回遊式庭園で、立地条件と兼六園から引いた水の動きを巧みに生かしている。下段の玉泉園は、西庭・本庭・東庭の三つに分かれ、本庭は、「水」字形池泉を中心に、山畔部を滝石組または流れとして配石し、各所に燈籠や手水鉢を配し、変化に富んだ優美な景観を構成しており、興趣に富んでいる。また、西庭・東庭は、青苔が一面に敷きつめられ、飛石が打たれ、手水鉢・燈籠などが景よく配されている。
上段の灑雪亭露地ならびに庭園は、千宗室の指導により作庭されたと伝えられ、茶席と露地・池泉からなっている。
作庭年代は江戸前期、2代利長の近侍となった初代脇田直賢(わきたなおたか)が着工し、4代九兵衛のとき完成した。庭名「玉泉園」は、利長の正室「玉泉院」にちなんでつけられた。