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金沢城土蔵(鶴丸倉庫)

 1848(嘉永元)年、現存のものに建て替え。土蔵造り総2階建て。国指定重要文化財。指定面積635.98平方メートル。
 鶴丸倉庫は、東ノ丸の北につながる東ノ丸付段に位置している。元武具蔵として使用され、作事には加賀藩御大工山本勝左衛門があたった。
 建物の屋根は桟瓦葺(さんがわらぶき)の切妻造り置屋根形式で、屋根を固定する基礎部分には戸室石の角材が使われており、正面に桟瓦葺きのひさしを付けている。戸室石の布基礎の上に立つ外壁は塗籠壁。腰部分を越前石の平石貼りとしている。
 建物平面は桁行12間、梁間8間の規模で、内部は1、2階とも1室。内壁は縦板張り、床を板張りとして、棟通り南側に幅の広い階段を設けている。出入り口は2カ所で間口が広く、荷物の搬出入を容易にする配慮が見られる。
 鶴丸倉庫は加賀藩御大工によって建てられた大型の土蔵で、金沢城の土蔵に特徴的な技法を併せ持っている。また、城郭内に現存する近世の土蔵として稀少な遺構である。

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