金沢城石川門
宝暦の大火で焼失後、1788(天明8)年再建。国指定重要文化財。指定面積6393.51平方メートル。金沢城石川門は三ノ丸の東端に位置し、城の搦手口(からめてくち)になる。升形門と呼ばれる構造で、表門とその内側の櫓門、升形を囲む続櫓(つづきやぐら)および二重櫓で構成された防御性の高い門で、表門の左右には太鼓塀が延びる。
表門は高麗門と呼ばれる形式で、扉は両開き。表門を入った右手が櫓門となっており、多聞櫓(たもんやぐら)と呼ばれる櫓は塗籠壁(ぬりごめかべ)で、南面右手と東面に唐破風(からはふ)屋根の石落としが付いており、南面の門上方部、北面及び西面に連双(れんそう)の武者窓を開けている。
続櫓は櫓門の西南隅から南へ延び、東に折れて二重櫓につながる一重の渡櫓(わたりやぐら)で、塗籠壁の各面に連双の武者窓を開けている。
続櫓の東端につながる二重櫓は石川門の中で最も高い建物で、兼六園側から石川門の姿を特徴付ける重要な建物となっている。下層は入母屋(いりもや)屋根で東面に唐破風屋根の石落としが付いており、上層の屋根も入母屋で東面にその破風を見せています。また、櫓の平面は菱形(ひしがた)になっている。
石川門を構成するこれら一連の建物は、鉛瓦葺(なまりかわらぶき)で外壁の白亜の塗籠壁と腰部分の海鼠壁(なまこかべ)とともに独特の外観を見せている。